INSIDE HEROES - テーマ館 / 全ての生命はつながっている。植物を中心に Tue, 26 May 2026 08:18:20 +0000 ja hourly 1 自然・アート・テクノロジーが交差する「明日の風景」を求めて /story/ou-sugiyama/ Mon, 13 Apr 2026 03:00:00 +0000 /?post_type=story&p=60 ご来場いただくみなさまへ テーマ館では、「すべての生命は…

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ご来場いただくみなさまへ

テーマ館では、「すべての生命はつながっている、植物を中心に」をコンセプトに、人間を含む地球上のあらゆる生命と植物との関係性を、最先端の研究をベースに楽しく体験していただけます。
そして、「体験」は、パビリオンの中だけで終わるものではありません。ここを訪れたことが、植物をより身近に感じ、日々の生活で小さな一歩を踏み出すきっかけになれば──そんな願いを込めて、テーマ館では種入りの紙「シードペーパー®」をお渡しします。
ご自宅で芽吹いた植物の写真を共有いただくことで、それらは展示されるアートの一部となり、作品はみなさんと共に成長し続けます。このワクワクする共創体験を通して、横浜から新しい「明日の風景」を一緒につくりあげましょう。

シードペーパー®

ART+TECH(アート・テック)プロデューサーとしての原点

―「ART+TECHプロデューサー」とはどのようなお仕事ですか。

杉山

一言で言えば、「その場所に行かなければ体験できない価値」を、アーティストやクリエイターと共につくる仕事です。ARTは自由な発想で新しい問いを投げかける表現。TECHはそれを具現化する最新技術。
この二つを掛け合わせることから「ART+TECHプロデューサー」と名乗っています。効率重視でどこも似た景色になりがちな現代だからこそ、遠くからでも「ここに行きたい」と思える目的地(デスティネーション)をつくりたい。空間そのものを作品化し、唯一無二の体験を生み出すことが私の役割です。

撮影:中川文作

―この仕事を目指したきっかけは何だったのでしょうか。

杉山

画家だった祖父の姿が原点です。画室で朝から晩まで楽しそうに筆を走らせる祖父を見て、「アーティストとはなんて素晴らしい仕事なんだ」と子ども心に憧れました。私自身も表現者を目指し、学生時代には街中で映像投影をするなどの街を舞台にした活動も行っていました。しかし、公共空間に勝手に手を加えることは許されません。「自由な表現」の難しさと、トップアーティストとの才能の差を痛感しました。
そんな折、ふと視点を変えてみたんです。「表現することに制約があるなら、そのルールを決める『空間』をつくる側に回ればいい。そうすれば、アーティストが存分に力を発揮できる巨大なキャンバスを用意できるはずだ」と。何もない更地を、新しい表現で埋め尽くす。そのワクワク感が、今の私のプロデューサーとしての原動力になっています。

撮影:中川文作

―これまでのご活動の中で、特に大きなターニングポイントとなったプロジェクトを教えてください。

杉山

私が常に挑戦してきたのは、「モニターの中(2次元)にあった表現を、いかに3次元の空間へと解き放つか」ということです。その流れの中で、大阪・関西万博での取り組みは非常に大きな経験でした。
映画監督の河瀨直美さんがプロデューサーを務めたシグネチャーパビリオン「いのちのあかし」で、私は計画統括ディレクターとして並走しました。万博というと、展示で答えを提示する場だと思われがちですが、私たちのパビリオンでは展示物を並べるのではなく、映画館のような空間で、スクリーン越しに「会場にいる一人」と「世界のどこかにいる一人」が、初めて出会い、10分間だけ対話をする。リアルタイムに繰り広げられるのは、編集不可能なドキュメンタリーです。最初は緊張している二人が、言葉を交わす中で少しずつ心を開いていく。その空気の変化を、観客も話者もスタッフも、固唾を呑みながら空間全体で共有する体験です。
会期中、1,500回以上このプログラムを実施しましたが、多くの方が涙を流されました。人は「本物の人生」や「本物の感情」に触れた瞬間に、より深く心を動かされる。そのことを、大阪・関西万博という舞台で改めて実感しました。

大阪・関西万博「いのちのあかし」関連の写真

©LESLIE KEE

2027年国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)への挑戦

GREEN×EXPO 2027では、どのような展示を目指していますか。

杉山

テーマ館の主題は「すべての生命はつながっている、植物を中心に」です。私たちは普段、人間中心で世界を捉えがちですが、本物の世界は、実は植物をはじめとする多くの生命に支えられて世界は成り立っています。そのつながりを、大阪・関西万博で確信した「本物が持つ力」と共に、今度は「植物」という主役を通じて体験として感じていただく。それが、持続可能な社会を考えるきっかけになればと願っています。
展示では、土の中の世界を体験できる空間や、映像技術によって植物の時間軸を目に見える形にする展示など、会場に来ていただくからこそ体験できるコンテンツを用意しています。 そして、今回はNHKグループの皆さんと共に、テレビ(平面)の世界を空間に解き放つことに挑戦しました。映像と空間が融合して生まれる圧倒的な体験価値を、ぜひ会場で感じていただきたいですね。

テーマ館関連の写真

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技と情熱で築く「明日の風景」 /story/shutaro-nakamura/ Wed, 20 May 2026 16:00:00 +0000 /?post_type=story&p=193 ご来場いただくみなさまへ GREEN×EXPO2027の…

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ご来場いただくみなさまへ

GREEN×EXPO2027のシンボルともいえる「テーマ館」。この木造建築の最大の魅力は、木材が複雑に組み合わされた独創的な形状と、その構造が生み出すダイナミックな空間にあります。一歩足を踏み入れた瞬間、木の温もりに包まれながら、テーマ展示への期待感を建物そのものから感じていただけるはずです。職人たちの技と情熱が築いた「明日の風景」を、ぜひ会場で体感してください。

テーマ館の外観・構造イメージ

空に描く戦略、現場に宿るゆとり

―モノづくりの現場で大切にされていることは何でしょうか。

中村

入社してからの25年間、主に超高層ビルの建設に携わってきました。所長としての私の役割は、現場監督たちをまとめ、全体を統括することです。工期内に高品質の建物を安全につくり上げるのはもちろんのこと、全員がやりがいと誇りを持てる環境づくりも大切にしています。

一見すると個人の趣味のように映るかもしれませんが、工事事務所でBGMを流し、盆栽を育て、ウーパールーパーを飼っているのも、そうした環境づくりの一環です。こうして生まれる心のゆとりが、現場の隅々まで目を配る余裕や集中力につながるのだと思います。現場を訪れる方々にも「建設業っていいな」と感じてもらえるように、まずは自分たちがモノづくりを楽しむことを心がけています。

―なぜゼネコン(総合建設業者)の道を選ばれたのでしょうか。

中村

学生時代に街で見上げたタワークレーンへの好奇心が原点です。建物の高さに合わせて、自らもせり上がっていく巨大なクレーン。建物が完成したあと、あの大掛かりな機材をどうやって地上に降ろすのか、不思議でならなかったのです。
その仕組みは、驚くほど緻密なものでした。まずタワークレーンが、自機より一回り小さい「中型クレーン」を組み立てる。その中型クレーンを使って自機を解体し、地上へ降ろしていく。次に中型クレーンが、さらに小さい「小型クレーン」を組み立て、同じように自機を解体して、降ろしていく。最後は残った小型クレーンを職人の手で解体し、エレベーターで搬出するというわけです。
3カ月ほどかけて繰り広げられるタワークレーンの「解体リレー」。こうした仮設計画の奥深さに触れたことが、この道へ進む大きなきっかけとなりました。

1ミリの狂いも許されない――巨大なパズルへの挑戦

―木造建築に携わるのは今回が初めてとのことですが、お声がかかったときはどのように感じられましたか。

中村

正直なところ、「……これ、本当にできるのか?」と思いましたね(笑)。
今回の建設の鍵となるのは、「CLT(直交集成板)」という木材です。木の板を縦横交互に重ねて貼り合わせたもので、強度が高く環境性能にも優れた、次世代の建材として注目を集めています。

ただ、テーマ館での使い方は非常に特殊です。たいていの建物には基準となる直線(通り芯)が通っていますが、この建物にはそれがなく、全体を通して不規則な角度でCLTを組み上げていく必要があります。一般的な建物であれば人の手で模型をつくり、組み方を検討していきますが、今回はそれでは限界があると判断し、3Dプリンタで模型をつくり、「どう組めば狂いが出ないか」を検証するところから始めました。

植えて、伐(き)って、使う――未来の森を育む50年のバトン

―園芸博のテーマと、大林組が取り組む「植林と伐採のサイクル」には通ずるものがありますね。どのような想いで取り組まれているのでしょうか。

中村

「木の伐採=環境破壊」と捉えられがちですが、森を守るだけでは脱炭素には不十分です。木は成長期にCO₂(二酸化炭素)を最も旺盛に吸収しますが、成熟するとその吸収力は次第に落ちていきます。だからこそ、私たちは木の成長に合わせた活用のサイクルを大切にしているのです。50年かけて育てた木を伐採し、建材として街の中で活用する。その跡地には新しい苗木を植え、再び50年かけて育てる。この循環によって、森全体のCO₂の吸収力を常に最大に保つことができます。
今回のテーマ館で使っているCLTも、そのバトンを受け取った命の一部です。建物が完成して終わりではなく、その先の50年、100年後の未来へ豊かな森をどうつないでいくか。この仕組みを知ることで、訪れる方々が木造建築を見る目を変えてくれたら嬉しいですね。

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