ZONE1地下の森

奇跡の一本松に秘められた菌類の物語

日本各地の海岸には波や潮風から暮らしを守るためにクロマツを植えた林があります。海岸の砂地は栄養分や水分が乏しい、植物にとっては過酷な環境ですが、そんな場所でもマツが育つのは菌糸の働きのおかげでもあります。菌糸がネットワークを作り、根が集めきれない所からも広く栄養分や水分を集めてくるとともに、根を靴下のように取り囲み病原菌などからマツを守っているのです。2011年の東日本大震災で発生した大きな津波で岩手県陸前高田市の高田松原にあった7万本の松林が流されました。その中で1本だけ流されずに残ったひときわ大きな木が「奇跡の一本松」と呼ばれたマツでした。今、その跡地には新たにマツが植えられて育っています。その地下では、きっと菌根が生まれ菌糸がせっせと働きはじめているはずです。