インサイド・ヒーローズ

vol.7

すべてはその笑顔のために

小川 知洋の写真

GREEN×EXPO 協会 展示部

小川 知洋 おがわ ともひろ

プロフィール

ご来場いただくみなさまへ

GREEN×EXPO 2027の会場には、約40種600本の桜をはじめ、四季折々の花や緑が広がります。でも、見どころは屋外だけではありません。テーマ館では最新の映像技術を駆使したエンターテインメントな演出もご用意していますし、園芸文化館では日本の園芸文化をご紹介します。沢山のコンテンツをご用意していますので、じっくり見て回ろうと思ったら、きっと時間が足りなくなるくらいです。ぜひ時間に余裕を持って、思い思いに楽しんでください。

異なる文化が交差する現場で

―GREEN×EXPO 2027に向けて、どのような役割を担われているのでしょうか。

小川:

テーマ館の展示制作や演出について、関係者との調整を担当しています。国や自治体、民間企業など、さまざまな立場の人が集まる現場では、仕事の進め方や組織文化の違いに戸惑うことも少なくありません。それでも、「来場される方々に楽しんでもらいたい」という思いはみな同じです。それぞれの間に入り、プロジェクトの方向性を整理して前へ進めていくのが、今の自分の役割だと思っています。

―仕事をする上で、どのようなことを大切にされていますか。

小川:

前職では、プロスポーツクラブの運営に携わっていました。私が所属していたチームでは試合前にスタッフ総出でスタンドの椅子拭きを行っていました。雨の日には屋根のない席を何度か拭きなおすことも。骨の折れる作業ではありましたが、そうして準備した会場がやがて熱気に包まれ、観客が楽しんでいる姿を見ると、やってよかったと思えるんです。SNSなどで「おもてなしが素晴らしい」と書いていただいたときは、自分たちの気持ちが伝わったことが、とにかく嬉しかったですね。

どんな仕事に向き合うときも、根底にあるのは「記憶に残るような感動を届けたい」という思いです。GREEN×EXPO 2027に向けても、来場される方々の笑顔につながる種まきを続けていきます。

植物たちの世界へ

―テーマ館では、どのような展示を目指していますか。

小川:

地下の森、環世界の森、気づきの森、つながりの森――テーマ館に一歩足を踏み入れると、植物たちの世界へと誘われます。ふだん目にすることのない地中の様子、植物が感じていることや発するメッセージ、そして人との関わり。森を冒険するように進みながら、植物たちの知られざる姿に出会える構成になっています。

まずは音と光と映像を駆使したエンターテインメント空間として、思いきり楽しんでいただきたいです。そして、テーマ館を出たあとも、そこで感じたことをふと思い出してもらえたらうれしいですね。帰り道で足元の植物に目が留まったり、家に帰ってから植物を育ててみようと思ったり――何か一つでも、日々の暮らしの中に残るものがあれば大成功です!

小川 知洋の写真

GREEN×EXPO 協会 展示部

小川 知洋

大手インフラ企業でのマーケティング・イベント企画、プロスポーツクラブでの事業運営などを経て、2027年国際園芸博覧会のテーマ館事業に参画。来場者の笑顔に思いを馳せながら、日々、展示制作や演出の調整に励んでいる。

取材メモ

色づくモノクロの世界

これまでの植物との関わりについては、「庭の草むしりや木の枝払いなど、厄介者扱いしてきたくらい(笑)」と明かす小川さん。現在は『きぼうの樹』プロジェクトに向けた実験的な試みとして、ほぼ人生初となる種からの栽培に挑戦しています。
カモミールのシードペーパー®を手にしたのは6月上旬。「すぐに芽が出るだろう」と甘く見ていたものの、1枚目はあえなく失敗。2枚目はたっぷりの水を与える作戦で見事発芽に成功し、日の当たり具合を調節しながら、なんとか厳しい夏から守り抜いたのだといいます。

  • 取材メモの写真
    ▲発芽したばかりのカモミール
  • 取材メモの写真
    ▲発芽3か月目のカモミール

手塩にかけて育てた植物が、少しずつ成長していく。その姿に胸を熱くしながら向き合ううちに、モノクロだった景色が色づいていきました。ひとつの命を見守る愛おしさは、この仕事に携わらなければ一生知らずに終わっていたかもしれない、と振り返ります。
シードペーパーを手にした瞬間から始まる、あなただけの物語。GREEN×EXPO 2027で出会う一枚は、私たちの暮らしにどのような彩りを添えてくれるのでしょうか。小さな種が紡ぐ未来に、今から期待が膨らみます。
(取材・文:結城耀子)